険悪ムードになる前にR嬢からメールが来ていた。
きちんとラッピングされたプレゼントらしき物の写メ付だった。
R嬢なりにちょっとは考えてくれていた。
誕生日の2〜3週間前に
「服は○○のブランド着ている事が多いよね」
「持ち物は○○のブランドだよね」
「財布は持ってるもんね〜」
などとリサーチされていたのである。
そして誕生日前の休日に買い物に行っていたらしい。
「いろんな店を見たけど、ピンと来る物がなくて
全然欲しくないものだったらごめんね。」
そう言っていた。
あの時はそうとう酔っぱらっていたのと時間が経っていた事で
冷静に考えるとなんてちっぽけな俺だったのだろう。。
と思い、R嬢にあやまりに行く事にした。
久しぶりといっても2週間ぶりくらい。
さっそくR嬢が登場し、気まずそうに席についた。
R嬢
「ごめんね」
先を越された。
謝ろうと思って来たのに、先制パンチを喰らわされて、素直になれないタカポン。
考えて来た言葉は出す事が出来ずに、また思っているのとは逆の事を口走ってしまう。
「おまえ、ちゃんと反省してんのかよ!マジあり得ないからな!」
せっかくキッカケをR嬢がつくってくれたのにも関わらず、それをぶち壊す最低最悪のタカポン。
しばし無言。。。
ピーンと張りつめた空気。
今にも逃げ出したくなるような沈黙の時間。
均衡を破ったのはタカポンでもR嬢でもなかった。
ちょうどそこへたまたま通りかかったS嬢
S嬢
「あ〜仲直りしたんだぁ〜良かったね〜」
張りつめた空気がいっきに和んだ。
S嬢が行ってから、R嬢と二人で顔を見合わせて笑った。
S嬢に救われた。
そして、本当に仲直り?が出来て、改めてお誕生日会をやることになった。
R嬢もやはりシャンパンを注文した。
K嬢が頼んだのと同じだった。
しかも、お寿司を出前でとってくれた。
K嬢とのデートがフラッシュバックしながらもR嬢とその日は楽しんだ。
いつかR嬢に聞いた事があった。
プレゼントもらうなら何が嬉しいの?
R嬢
「自分じゃ買わないけど、絶対使うもの」
なるほど。
R嬢は仕事もそうだが、その辺はやっぱり頭の良い子だなあと思う。
いろいろあったが、この年のお誕生日会は無事に終了したのである。