クリスマスキャロルが聞こえる頃には

その日はR嬢のお店に飲みに来ていた。

もうすぐクリスマスという季節。

R嬢はほとんど営業などはかけてこないので
クリスマスについてもやんわりと何するの?
的な感じで聞いて来た。

タカポン
「クリスマスはさすがに飲み屋では過ごしたくないよな。

クリスマスとかって混んだりするの?」

R嬢
「う〜んどうだろう?それなりに入るとは思うけどね」

なるほどな〜

ただ、クリスマスに一人ですすきのを彷徨くのはいかにも過ぎる。

R嬢
「そういえば、前に言ってた子とは最近どうなってんの?」

タカポン「うん、いま微妙な感じなんだよね〜」

R嬢
「そっか〜、じゃココに飲みに来ちゃう?笑
私クリスマスはイヴも当日も仕事だよ〜
なんてね〜ウソウソ」

こういう奥ゆかしいトコって個人的に大好き。
一瞬ほんとうにR嬢に会いに来ようかとも考えたけど
やっぱり今はK嬢のことしか考えられなくて
それはさすがにやめておいた。

R嬢
「なんか進展あったら教えてね〜

まあどうせクリスマスといっても仕事があるので
別に一人淋しく過ごさなくては行けない訳ではない。

何年か前のクリスマスには、当時付き合っていた彼女に
サプライズな贈り物をした事をふと思い出した。
笑っちゃうくらいキザな演出をして
彼女を一生懸命に喜ばせようとしていた。

クリスマスの前週に、彼女とプレゼントを見に行ったのだが
なんとなくこれがいいかな〜と言っていたアクセサリー。
とは違う、ティファニーのものを購入
(彼女は欲しがらなかったけど、見ていて気に入った様子だった)

当日はプリンスホテルタワーのスイートを予約しておいて
昼のうちにチェックイン

椅子の上にそっとプレゼントを置いて
夕方彼女と待ち合わせ。

ディナーを食べたあと、夜景の穴場スポットがあるといい
ホテルへ連れて行き、スイートへ案内する。

ドアを開けて、驚きと感激から、泣き出す彼女。

その夜の事は今でも鮮明に覚えている。そんな事をしていた若き日々。
今では、毎日のようにすすきのに入り浸るようになってしまった。

たまには、普通の恋愛もいいなと思い返すタカポンだった。

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